足にしびれという不快な症状が現れた時、多くの情報の中から、自分にとって最適な行動を選択するのは難しいものです。ここでは、これまでの内容を総括し、「足のしびれ」で悩んだ際に、どのように考え、どの診療科を目指すべきかの行動指針を整理します。まず、Step 1として、最も重要なのが「緊急性の判断」です。「突然発症したか」「体の片側だけか」「ろれつが回らない、顔が歪むなどの神経症状を伴うか」。これらの問いに一つでも「はい」と答えるなら、それは脳卒中の可能性があります。ためらわずに直ちに救急車を呼び、「脳神経外科・内科」のある病院へ向かう必要があります。次に、Step 2として、「しびれの範囲と腰痛の有無」を確認します。「腰痛があり、お尻から太ももの裏にかけて帯状にしびれが走る」のであれば、坐骨神経痛が強く疑われます。この場合は、腰の骨や神経の専門家である「整形外科」が第一選択です。Step 3は、「歩行との関連性」に注目します。「歩き始めると足がしびれて痛くなり、休むと治まる」という間欠性跛行の症状がある場合、二つの可能性を考えます。休む時に「前かがみになると楽になる」なら、腰部脊柱管狭窄症を疑い「整形外科」へ。「立ち止まるだけで楽になり、足が冷たい感じがする」なら、閉塞性動脈硬化症を疑い、「循環器内科」や「血管外科」へ相談します。Step 4として、「しびれの現れ方」を観察します。「両足の先から、左右対称にジンジンと始まる」のであれば、糖尿病性神経障害の可能性を考え、「内科」や「糖尿病内科」が専門となります。もし、これらのステップを踏んでも判断に迷う場合、あるいはしびれの原因が全く見当もつかない場合は、まず最も頻度の高い原因である運動器系のトラブルを評価してもらうために、「整形外科」を最初の窓口として受診するのが合理的です。整形外科医が診察し、脳や血管、内科的な疾患が疑われれば、そこから適切な専門科へ紹介してくれます。足のしびれは、生活の質を大きく損なうだけでなく、重大な病気のサインである可能性もあります。我慢したり、自己判断で放置したりせず、この思考プロセスを参考に、早期に専門医の助けを借りるようにしてください。
まとめ。足のしびれで迷ったらどう考えどう行動すべきか