尿酸値が高い、と健康診断で指摘されても、具体的なリスクや「どうなるのか」を理解していない方は少なくありません。私自身も、かつて尿酸値が基準値を少し超えたことがあり、その時に医師から尿酸値が高いことの恐ろしさを詳しく教わりました。結論から言うと、尿酸値が高い状態を放置すると、痛風という激しい関節炎だけでなく、様々な重大な病気につながる可能性があります。尿酸は、体内でプリン体が分解される際に生成される老廃物の一つです。通常は腎臓から尿として排出されますが、生成量が増えすぎたり、排出量が減少したりすると、血液中の尿酸濃度が高くなります(高尿酸血症)。この高尿酸血症の状態が続くと、体内で尿酸が結晶化し、関節に蓄積することで激しい炎症を引き起こします。これが、足の親指の付け根などに突然激痛が走る「痛風発作」です。痛風の痛みは想像を絶するほどで、「風が吹いても痛い」と表現されるほどです。しかし、尿酸値が高いことの本当の恐ろしさは、痛風発作だけにとどまりません。高尿酸血症は、腎臓にも悪影響を及ぼし、腎機能の低下や「痛風腎」と呼ばれる腎障害を引き起こす可能性があります。さらに、尿酸結晶が尿路に沈着すると、「尿路結石」の原因ともなります。尿路結石の痛みも非常に強く、経験者にとっては忘れられないものです。加えて、近年では高尿酸血症が、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病や、それらが複合的に現れるメタボリックシンドロームとも深く関連していることが指摘されています。これらの病気は、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中といった命にかかわる病気のリスクを高めます。したがって、健康診断で尿酸値が高いと指摘された場合は、決して軽視せず、速やかに専門医に相談し、適切な対策を講じることが自身の健康を守る上で極めて重要です。
尿酸値が高いと何が起こるのか