「尿酸値が高いとどうなる?」という問いに対して、多くの人が「痛風発作」を思い浮かべるでしょう。確かに痛風は高尿酸血症の代表的な症状ですが、実は痛風発作以外にも、様々な症状や病態が引き起こされる可能性があります。私自身も、尿酸値の管理について医師から説明を受けた際、痛風以外のリスクについて深く考えさせられました。高尿酸血症は、体内で尿酸が過剰に蓄積している状態を指します。この状態が続くと、尿酸が結晶化して体内の様々な場所に沈着し、痛みや機能障害を引き起こすことがあります。痛風発作は関節に尿酸結晶が沈着することで起こりますが、これ以外にも以下のような症状や病態が知られています。一つ目は「痛風結節」です。これは、長期間にわたる高尿酸血症が原因で、耳の軟骨や肘の関節、アキレス腱などに尿酸結晶が固まり、コブのようなものができる状態です。通常は痛みはありませんが、見た目の問題や、大きくなると皮膚を突き破って炎症を起こすこともあります。二つ目は「痛風腎」です。これは、腎臓に尿酸結晶が沈着することで腎機能が低下し、腎臓病を引き起こす状態です。初期には自覚症状がほとんどないため、健康診断などで尿検査や血液検査をしないと気づきにくいのが特徴です。進行すると、倦怠感、むくみ、貧血などの症状が現れ、最終的には腎不全に至ることもあります。三つ目は「尿路結石」です。腎臓で生成された尿酸結晶が尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に落ちてくることで、激しい痛みや血尿、頻尿などを引き起こします。尿路結石の痛みは、痛風発作に匹敵するほどの激痛を伴うことがあります。このように、高尿酸血症は痛風発作という激しい症状以外にも、様々な形で体に悪影響を及ぼします。そのため、尿酸値が高いと指摘された場合は、痛みがなくても、これらの潜在的なリスクを理解し、早期に適切な対策を講じることが、自身の健康を守る上で非常に大切です。