自分の脇の臭いが気になり始めると、「これはワキガなのだろうか、それともただの汗臭なのだろうか」と、一人で悩んでしまう方は少なくありません。専門のクリニックで診断を受けるのが最も確実ですが、その前に、自分自身でワキガの体質かどうかをある程度判断するための、いくつかのセルフチェックポイントがあります。まず、最も重要なのが「臭いの質」です。前述の通り、ワキガの臭いは一般的な汗臭さとは異なります。酸っぱいような汗の臭いではなく、「香辛料のようなスパイシーな臭い」や「玉ねぎやネギが腐ったような刺激臭」、「ゴボウのような土臭い臭い」といった、特有の臭いを感じるかどうか、自分の脇の臭いを注意深くかいでみてください。次に、確認してほしいのが「耳垢の状態」です。これは意外に思われるかもしれませんが、ワキガの原因となるアポクリン汗腺は、耳の中にも存在します。そのため、アポクリン汗腺の活動が活発な人は、耳垢が乾燥した粉状ではなく、湿った飴色で、ベタベタとしている傾向があります。耳掃除をした時に、綿棒に湿った耳垢が付着する方は、ワキガ体質である可能性が高いと言えます。三つ目のチェックポイントは、「衣類の黄ばみ」です。アポクリン汗腺から出る汗には、脂質やタンパク質、そしてリポフスチンという色素成分が含まれています。これらの成分が衣類に付着すると、洗濯してもなかなか落ちずに、脇の下の部分が黄ばんでしまう原因となります。白いシャツや下着の脇の部分が、特に黄ばみやすいと感じる場合は、これも一つのサインです。最後に、「遺伝的な要因」も考慮に入れましょう。ワキガは優性遺伝することがわかっており、両親のどちらかがワキガ体質の場合、その子供は高い確率で体質を受け継ぎます。両親や近しい親族にワキガの人がいるかどうかも、判断材料の一つとなります。これらの項目に複数当てはまる場合は、ワキガ体質である可能性が考えられます。しかし、これはあくまで目安です。深刻に悩む前に、正しいケア方法を知り、必要であれば専門医に相談することが大切です。