イチゴ舌の見分け方!溶連菌感染症の場合
子供の舌がイチゴのようになった時、多くの親御さんがまず思い浮かべるのが「溶連菌感染症」でしょう。実際に、イチゴ舌は溶連菌感染症の非常に特徴的な症状の一つであり、その見分け方を知っておくことは、早期発見と適切な治療に繋がります。溶連菌感染症によるイチゴ舌を見分けるための最大のポイントは、舌以外の随伴症状、特に「喉の痛み」と「発熱」です。溶連菌は、喉の奥にある扁桃腺で増殖するため、感染するとまず三十八度以上の高熱とともに、唾を飲み込むのもつらいほどの激しい喉の痛みが現れます。鏡で喉の奥を見ると、扁桃腺が真っ赤に腫れ、白い膿のようなものが付着していることもあります。そして、これらの症状とほぼ同時に、舌の変化が始まります。初期には舌に白い苔が付着し、その下から赤いブツブツが見える「白苔舌」の状態となり、二日から四日ほどで白い苔が剥がれて、舌全体が真っ赤になる典型的な「いちご舌」へと移行します。この舌の変化と、強い咽頭痛の組み合わせが、溶連菌感染症を見分ける上での非常に重要なサインです。さらに、体幹(お腹や背中)や首、手足の付け根などに、痒みを伴う細かい赤い発疹が現れることもあります。これは「猩紅熱(しょうこうねつ)」と呼ばれ、溶連菌が産生する毒素によって引き起こされます。逆に、咳や鼻水といった、いわゆる典型的な風邪の症状はあまり見られないのも特徴の一つです。まとめると、「高熱」「激しい喉の痛み」「いちご舌」「全身の細かい発疹」という四つの症状が揃っていれば、溶連菌感染症の可能性が極めて高いと言えます。この見分け方に基づき、疑わしいと感じたら速やかに小児科を受診してください。溶連菌感染症は、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった重篤な合併症を防ぐため、抗生物質による確実な治療が必要です。