ワキガは思春期に始まることが多いですが、大人になってから臭いが強くなった、あるいは気になるようになったと感じる方も少なくありません。その背景には、日々の何気ない生活習慣が、ワキガの臭いを増幅させている可能性があります。まず、大きな影響を与えるのが「食生活」です。肉類やバター、チーズといった動物性脂肪や高カロリーな食事は、ワキガの原因となるアポクリン汗腺の働きを活発化させることが知られています。これらの食品を多く摂取すると、汗に含まれる脂質やタンパク質の量が増え、それをエサとする皮膚の常在菌が繁殖しやすくなり、結果として強い臭いを発生させてしまうのです。欧米型の食生活が中心になっている方は、注意が必要です。次に、「ストレス」も無視できない要因です。現代社会で働く大人は、仕事や人間関係で常に強いストレスに晒されています。精神的なストレスを感じると、交感神経が優位になり、アポクリン汗腺からの汗の分泌が促されます。いわゆる「精神性発汗」です。プレゼン前や大事な商談の前など、緊張する場面で脇汗が増え、臭いが気になるという経験は、このメカニズムによるものです。また、ストレスは、臭いに対する感覚を過敏にさせ、実際以上に自分の臭いを気にしてしまうという悪循環を生むこともあります。さらに、「飲酒」や「喫煙」も臭いを悪化させる一因です。アルコールが体内で分解される過程で生じるアセトアルデヒドや、タバコに含まれる有害物質は、それ自体が臭いの元となり、汗とともに排出されます。これがワキガの臭いと混じり合うことで、より不快な臭いへと変化してしまうのです。生活習慣の乱れによる「疲労」も、肝臓の機能を低下させ、体内のアンモニアの分解能力を弱めるため、体臭全般を強くする可能性があります。もし、最近ワキガの臭いが強くなったと感じるなら、食生活やストレス管理、生活リズムなど、ご自身のライフスタイルを一度見直してみることが、臭い改善への第一歩となるかもしれません。
大人のワキガ!臭いを強くする意外な生活習慣