子供の舌が赤い!イチゴ舌の基本的な見分け方
子供が熱を出し、ふと口の中を覗いた時に、舌がいつもと違う様子だと親としては心配になるものです。特に、舌が赤くブツブツしていて、まるで苺の表面のように見える「イチゴ舌」は、いくつかの病気のサインである可能性があり、その見分け方を知っておくことは非常に重要です。まず、イチゴ舌の最も基本的な特徴を理解しましょう。その名の通り、舌の表面が赤くなり、味を感じるための「舌乳頭(ぜつにゅうとう)」という小さな突起が炎症を起こして腫れ、ブツブツと際立って見える状態を指します。熟した苺の見た目にそっくりなことから、この名前が付きました。見分ける際の最初のポイントは、舌の変化の経過です。病気の種類によっては、初期段階では舌全体が白い苔のようなもので覆われ、その中から赤いブツブツが透けて見えることがあります。これを「白苔舌(はくたいぜつ)」と呼びます。その後、数日経つと白い苔が剥がれ落ち、舌全体が真っ赤に腫れた典型的なイチゴ舌へと変化します。この時間的な変化も、見分け方の一つの手がかりとなります。次に、舌以外の症状に注目することが不可欠です。イチゴ舌は単独で現れることは稀で、必ず何かしらの全身症状を伴います。例えば、高熱や喉の強い痛み、全身の細かい発疹などです。これらの随伴症状を総合的に観察することで、イチゴ舌の原因となっている病気を推測することができます。具体的には、高熱と喉の痛みが主であれば溶連菌感染症、五日以上続く高熱に加えて目の充血や手足の腫れがあれば川崎病、といったように、他の症状との組み合わせが診断の鍵を握るのです。子供の舌に異常を見つけたら、まずは慌てずに舌の状態と全身の症状を注意深く観察し、その情報を正確に医師に伝えることが、適切な診断と治療への第一歩となります。