40代を過ぎた頃、私は仕事中に突然、自分の心臓が喉元まで飛び出してくるような激しい動悸に襲われるようになりました。最初は一時的なストレスや過労だと思い込み、深呼吸をしてやり過ごしていましたが、次第にその頻度は増し、一度発作が起きると数時間も心臓がバラバラに脈打つような感覚が続くようになりました。病院での診断は心房細動。医師からは「薬で抑えることもできるが、完治を目指すならカテーテルアブレーションという手術がある」と告げられました。心臓に管を通すという言葉に最初は恐怖を感じましたが、このまま動悸に怯えて暮らすよりも、根本から治したいという思いが勝り、不整脈手術を受ける決意をしました。入院期間は3泊4日というスケジュールでした。手術前日は、看護師さんから丁寧な説明を受け、改めて自分の心臓の模型を見ながら手術のイメージを共有しました。手術当日、カテーテル室へ運ばれる際は緊張で足が震えましたが、静脈麻酔のおかげですぐに意識が遠のき、気づいたときには手術は終わっていました。目覚めたとき、足の付け根に少し重苦しい違和感がありましたが、胸の痛みなどは全くありませんでした。数時間の安静時間の後、初めて自分の脈を確認したとき、あんなに不規則だった拍動が、時計の針のように正確に刻まれていることに深く感動しました。翌日には院内を歩けるようになり、3日目には退院。日常生活に戻って驚いたのは、それまで常に自分を支配していた漠然とした不安感が、心臓の安定とともに消え去っていたことです。階段を上っても息が切れず、夜もぐっすりと眠れるようになりました。不整脈手術を経験して私が感じたのは、医療の進歩の素晴らしさと、早期決断の大切さです。もし私が怖がって手術を先延ばしにしていたら、今でも動悸に悩まされ、心不全や脳梗塞のリスクを抱えたままだったでしょう。もちろん手術には合併症などのリスクがゼロではありませんが、専門医との信頼関係のもと、適切なタイミングで治療を受けたことは、私の人生において最良の選択となりました。今、不整脈に悩んでいる方へ伝えたいのは、手術は決して恐ろしいものではなく、未来を明るくするための前向きなステップだということです。規則正しい自分の拍動を感じられる喜びは、何物にも代えがたい財産となります。
突然の動悸に襲われた私が不整脈手術を決意し完治するまでの体験記録