私たち家族にとって、RSウイルスは常に「いつか来る恐ろしい嵐」のような存在でした。長男が生まれた時、育児雑誌やネットの情報には、2歳までにほぼ全員がかかること、そして乳児がかかると重症化して入院のリスクが高いことが強調されていました。私は極度の心配性だったこともあり、長男が2歳になるまでは徹底して人混みを避け、帰宅後の手洗いはもちろん、おもちゃの消毒も毎日欠かしませんでした。その甲斐あってか、息子は大きな病気をすることなく2歳の誕生日を迎えました。その時は、一つの大きな関門を突破したような安堵感に包まれたのを覚えています。しかし、2歳までにかかっていないからといって、一生かからないわけではありませんでした。息子が3歳になり、幼稚園の年少クラスに通い始めてから3ヶ月が経った頃、ついにその時がやってきました。夜中に突然、息子がこれまでに聞いたことのないようなゼーゼーという苦しそうな呼吸を始めたのです。熱も39度まで上がり、激しい咳で何度も目を覚ましました。翌朝、小児科で検査を受けた結果、医師から告げられたのは「RSウイルス陽性」という言葉でした。私は「2歳までにかかっていなかったのに、今さら?」と驚きましたが、先生は穏やかに「幼稚園などの集団生活が始まれば、遅かれ早かれかかるものです。でも、今の年齢なら赤ちゃんが感染するよりはずっと安心ですよ」と言ってくれました。確かに、息子は苦しそうではありましたが、自分で水分を摂ることができ、酸素飽和度も安定していました。もしこれが0歳の時だったらと思うと、ぞっとしました。結局、熱は4日ほど続き、咳は完全に消えるまで2週間近くかかりましたが、入院することなく自宅で看病を終えることができました。3歳という年齢になり、体力がついていたことが、回復を早める大きな要因だったと感じています。2歳までに一度も感染しなかったことで、呼吸器がしっかり成長した後にウイルスと対峙できたのは、結果的に息子にとって幸運なことだったのかもしれません。親としては「早く経験させて免疫をつけたほうがいいのか」と悩む時期もありましたが、感染症対策を頑張ったことで重症化のリスクが高い時期を乗り越えられたことは、一つの正解だったと確信しています。これから集団生活が始まるお子さんを持つ親御さんも、2歳までにかかっていないことを不安に思う必要はありません。それはお子さんの体がより強くなるための準備期間を確保できたということなのですから。
初めてのRSウイルス感染が2歳を過ぎてから起きた家族の記録