忘れもしない、幼稚園の生活発表会を3日後に控えた朝のことでした。5歳の息子が目をこすりながら起きてきて、「ママ、おめめが痛い」と言ったのです。鏡を見ると、右のまぶたがパンパンに腫れ上がり、まるで試合後のボクサーのようになっていました。私は一瞬で青ざめました。待ちに待った発表会で、主役級の役を演じることになっていたからです。「よりによって、なぜ今なの?」という思いと、昨日公園で遊んだ時に目をこすっていたのを止めなかった自分への後悔が、波のように押し寄せました。ネットで「子供、ものもらい、即効、治す」と必死に検索しましたが、出てくるのは「数日から1週間はかかる」という現実的な回答ばかりでした。焦る気持ちを抑えて、朝一番で近所の眼科へ駆け込みました。待合室では、息子が腫れた目を気にして触ろうとするのを必死に止める攻防が続きました。診察室で医師から告げられた診断は、典型的な「麦粒腫」でした。先生は「発表会まであと3日ですね。強力な抗菌目薬と、腫れを引かせる軟膏を処方しますから、今日から集中してケアしましょう」と言ってくださいました。そこから私の3日間の戦いが始まりました。最大の難関は、目薬でした。息子は目薬が怖くて、一滴さそうとするたびに顔を背けて大泣きします。私は、息子の頭を膝の間に挟んで固定し、寝ている隙や、お気に入りのアニメを見せている隙を狙って、何とか1日4回の点滴を完遂しました。また、患部を清潔に保つために、手洗いを徹底させ、タオルも家族とは別にしました。食事も、免疫力を高めるために野菜たっぷりのスープを作り、夜は早めに寝かせました。すると、奇跡的に翌日の午後には赤みが引き始め、2日後には腫れもほとんど目立たなくなったのです。発表会当日、息子の目は少しだけ赤みが残っていましたが、舞台の上で元気に演じる姿を見ることができました。後で先生に伺ったところ、子供のものもらいは早期発見と徹底した衛生管理、そして休養が重要だとのことでした。もしあの時、「寝れば治るだろう」と様子を見ていたら、発表会には出られなかったかもしれません。この経験を通して、子供の小さな不調にいかに早く気づき、適切に対処するかが親の役割なのだと痛感しました。今では、息子の爪を短く切り、外から帰ったら必ず手を洗うだけでなく、顔も洗うように習慣づけています。あの腫れ上がった目を見た時の絶望感と、治った時の安堵感は、親としての私の成長痛のようなものだったのかもしれません。
幼稚園のイベント前に子供がものもらいになった私の体験記