子どもが夜中に突然発疹を出し、水疱瘡が疑われるものの、すぐに病院へ行けないような状況では、親として少しでも症状を和らげてあげたいと願うものです。しかし、前述した通り、水疱瘡には絶対に使ってはいけない成分が含まれた市販薬があるため、選び方には細心の注意が必要です。基本的に、水疱瘡の原因ウイルスを叩く抗ウイルス薬は医師の処方箋が必要な「処方箋医薬品」であり、ドラッグストアで市販薬として購入することはできません。したがって、自宅でできるのはあくまで痒みや熱に対する対症療法となります。痒みに対しては、市販されている抗ヒスタミン成分配合の軟膏や、酸化亜鉛が含まれた皮膚保護剤を検討することができます。酸化亜鉛は、病院で処方されるカチリと似た成分であり、患部を乾かして炎症を抑える働きがあります。ただし、メンソールなどの刺激が強い成分が含まれているものは、水ぶくれが破れた部分に染みて痛がる可能性があるため避けるべきです。また、痒みを抑えるための飲み薬として、市販の小児用抗ヒスタミン薬も存在しますが、これも必ず薬剤師に相談し、年齢や症状に適した量を確認してください。発熱については、何度も繰り返すようにアセトアミノフェン単剤の解熱剤を選んでください。パッケージに「アスピリンフリー」と記載されていても、他の成分がウイルス感染症に適さない場合があるため、薬局で「水疱瘡の疑いがある子どもの熱を下げたい」と明確に伝えて選んでもらうことが鉄則です。ホームケアにおいては、薬に頼るだけでなく、環境を整えることが非常に効果的です。痒みは体温が上がると増す性質があるため、部屋を涼しく保ち、薄着にさせることで血管の拡張を抑えることができます。また、水ぶくれが破れた部分にガーゼを当てるのは良いですが、粘着力の強いテープを直接皮膚に貼ると、剥がすときに水ぶくれを破ってしまうため注意が必要です。服は綿などの通気性が良く、肌に刺激の少ない素材を選びましょう。水分補給についても、一度にたくさん飲ませるのではなく、イオン飲料や経口補水液を少しずつ頻繁に与えることで、脱水を防ぎつつ薬の代謝を助けることができます。水疱瘡は、最初の数日間が症状のピークです。市販薬を上手に使いつつ、パニックにならずに翌朝の受診を待つ。そのためには、普段から救急箱にアセトアミノフェンの解熱剤を用意しておくといった備えが欠かせません。親の落ち着いた対応こそが、不安を感じている子供にとって何よりの特効薬になることも、忘れてはいけないホームケアの基本と言えるでしょう。
水疱瘡の症状を自宅で和らげるための市販薬と正しいホームケア