38歳という働き盛りの冬、私は人生で最も過酷なインフルエンザに見舞われました。最初は喉の違和感程度でしたが、数時間後には39度を超える熱が出て、節々の痛みで寝返りさえ打てない状態になりました。病院でインフルエンザA型と診断され、抗ウイルス薬を処方されてから3日間は、ただひたすら熱の苦しさと戦う日々でした。ようやく4日目の朝、熱が37度台まで下がり、少し食欲も出てきたところで、自分の体に起きた異変に気づきました。着替えようとして鏡を見ると、胸からお腹にかけて、数ミリ程度の薄い赤い斑点が無数に広がっていたのです。痒みはほとんどありませんでしたが、これまでに見たことのない肌の状態に、私は熱の苦しさとは別の種類の不安に襲われました。もしかしてインフルエンザが重症化したのか、あるいは何か別の恐ろしい伝染病を併発したのではないかと、スマートフォンの画面を指で震わせながら検索を繰り返しました。ネットの情報には「ウイルス性発疹」や「薬疹」という言葉が並んでおり、自分では判断がつきませんでした。不安に耐えきれず、私はフラフラする足取りで再び近所のクリニックを訪れました。医師は私の皮膚を丁寧に視診し、薬の服用タイミングと発疹の出た時期を照らし合わせました。結果として、私の場合は薬によるアレルギーではなく、高熱による発汗と体力の消耗、そしてウイルスの残骸に対する免疫反応が皮膚に現れた一過性の発疹であるとの診断を受けました。医師からは、お風呂の温度を低めにすることや、刺激の強い石鹸を控えること、そして何よりもまだ体は回復の途上にあるのだから、見た目の異変に動揺しすぎず安静を保つようにとアドバイスを受けました。処方された保湿剤を塗り、さらに2日間ゆっくりと休んだところ、あの斑点は嘘のように消えていきました。この体験を通して痛感したのは、大人の体にとってインフルエンザがいかに大きなダメージを与えるかということです。熱が下がったからといってすぐに完治したわけではなく、皮膚という目に見える場所を通して、私の体はまだ戦いの余韻の中にいることを教えてくれていたのです。もしあの時、一人で悩み続けていたら、そのストレスでさらに免疫力を下げていたかもしれません。専門医に「大丈夫ですよ」と言ってもらえる安心感が、どれほど回復を早めてくれるかを身をもって学んだ1週間でした。