ものもらいができた子供の親御さんが、真っ先に心配することの一つに「他の子にうつしてしまわないか」という不安があります。「ものもらい」という通称が、何かをもらう、あるいは与えるというニュアンスを含んでいるため、感染症だと思い込んでいる方が非常に多いのですが、結論から言えば、一般的なものもらい(麦粒腫や霰粒腫)は「うつる病気」ではありません。原因となる黄色ブドウ球菌などは、誰もが持っている常在菌であり、本人の抵抗力が落ちたり、不衛生な状態で菌が増殖したりすることで発症するものです。したがって、ものもらいが原因で学校や幼稚園を休む必要はありませんし、プールなどの活動も、本人の体調が良ければ禁止されることはありません。しかし、学校生活を送る上で注意すべき点はいくつかあります。まず、「はやり目(流行性角結膜炎)」との区別です。はやり目はウイルスによる非常に強い感染症で、見た目がものもらいに似ていることがありますが、こちらは法律で登校が禁止されています。自己判断で「うつらないものもらいだ」と思い込み、学校へ行かせることは集団感染のリスクを招きます。必ず眼科医の診断を仰ぎ、登校の可否を確認してください。次に、二次感染への配慮です。ものもらい自体はうつりませんが、患部を触った手で文房具や遊具を共有し、そこに強力な雑菌が付着することで、他の子供が別のトラブルを起こす可能性はゼロではありません。子供には「おめめを触らない」「こまめに手を洗う」というエチケットを徹底させましょう。また、体育の授業や部活動などで、砂埃が目に入る環境にある場合は、治るまで活動を制限するか、保護用のメガネを着用させるなどの配慮が必要です。予防法としては、学校での「手洗い教育」が最も効果的です。給食の前、トイレの後、外遊びの後は、爪の間までしっかり洗うよう家庭でも指導してください。また、学校でのストレスが免疫力低下に繋がってものもらいを引き起こすこともあります。新学期や運動会などのイベント時期には、子供の疲労度をチェックし、自宅でリラックスできる環境を整えてあげましょう。共用のタオルは避け、清潔なハンカチを毎日持たせることも重要です。もし学校でものもらいを指摘されたら、恥ずかしがったり隠したりする必要はありません。正しく対処していることを先生に伝え、周囲の理解を得ながら、普段通りに学習に取り組ませてください。正しい知識に基づいた冷静な対応が、子供の学校生活をより快適なものにし、不要な偏見や不安から守ることに繋がるのです。
子供のものもらいはうつるの?学校生活での注意点と予防法