50代に入り、肩が上がらなくなったり、膝が痛んだりすることが増えてきました。私はそれを、誰もが経験する更年期障害の一種だろうと決めつけていました。「ああ、私もついに老眼だけでなく関節までガタが来たか」と笑い飛ばし、市販の鎮痛剤やグルコサミンのサプリメントを飲んでやり過ごしていたのです。しかし、ある時から症状が変化しました。朝、キッチンで朝食の準備をしようとしても、包丁が握れないのです。指先がしびれたような感覚があり、水道の蛇口をひねる動作さえ力が入らず、夫に手伝ってもらうこともありました。夜になると足の裏が熱を持ってズキズキと痛み、砂利の上を歩いているような不快感に襲われました。それでも私は、更年期のホルモンバランスの崩れが原因だと信じて疑いませんでした。婦人科を受診してホルモン療法を試みましたが、火照りなどの症状は改善したものの、関節の痛みはひどくなる一方でした。ある朝、自分の手を見ると、指の関節がパンパンに腫れ上がり、指輪が食い込んで外れなくなっていました。さすがにおかしいと思い、整形外科を受診しましたが、そこでは「加齢による変形性関節症」と言われ、湿布と痛み止めを出されるだけでした。数ヶ月経っても良くならず、ついに足の膝まで腫れ上がり、水が溜まって歩行が困難になりました。セカンドオピニオンを求めて総合病院のリウマチ科を訪ねたのは、最初の異変から半年以上が経過した頃でした。医師は私の手を見るなり、「これはリウマチの疑いが強いです」とはっきり言いました。超音波検査で見せられた私の関節の映像は、炎症で真っ赤に燃えているような状態でした。自分の勝手な思い込みが、診断をこれほどまでに遅らせてしまったのかと、激しい後悔の念に駆られました。リウマチは更年期と重なる年齢で発症することが多いため、区別がつきにくいのは事実です。しかし、更年期の関節痛は「動かしているうちに痛くなる」ことが多いのに対し、リウマチは「動かさないでいると固まり、動かし始めが最も辛い」という正反対の性質を持っています。私は現在、適切な薬剤治療を受け、ようやく炎症をコントロールできるようになりましたが、あの日、指の腫れを更年期のせいにせず、もっと早く専門医に相談していれば、関節へのダメージをもっと抑えられたはずです。体からのサインは、自分勝手な解釈で塗り替えてはいけないのだと、痛みを伴う経験として深く学びました。
更年期の不調だと思い込んだ私の関節リウマチ発症から診断までの混迷